「なぜ野菜ジュースは意味がないと言われているの?」
「1本飲むだけで1日分の野菜が摂取できると言っているCMは嘘なの?」
このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
野菜ジュースは、普段の食生活で野菜を食べない方にとっては最適な摂取方法の1つです。
また、飲むだけで良いのでついつい生野菜や果物よりもジュースを飲んでしまいますよね。
しかし、野菜ジュースは生の野菜や果物と比較すると製造過程で栄養素が失われてしまっているだけでなく、飲むことで太ってしまうなど逆効果となる恐れもあります。
そこで、今回は野菜ジュースが「意味ない」と言われる理由を紹介するとともに、野菜ジュースの選び方や効果的な摂取方法も紹介します。
市販の野菜ジュースが「意味ない」と言われる理由
野菜ジュースが「意味ない」と言われる理由は主に以下の4つです。
- ビタミンCが失われる
- 食物繊維が少ない
- 生野菜の代わりにならない
- 飲み過ぎると太る
ビタミンCが失われる
野菜ジュースの製造過程における熱処理は、ビタミンCのような熱に敏感な成分が損失してしまいます。
具体的には、濃縮還元方式では、ジュースの原料を軽量化する目的で熱を加え、水分を飛ばす加熱処理により、多くのビタミンが破壊されることが研究で確認されています。
一部の商品ではビタミンを添加している場合があるものの、天然のビタミンとは異なる効果しか期待できないため、注意が必要です。
食物繊維が少ない
食物繊維は、野菜の主要な成分の一つとして、消化器系の健康維持に大きく寄与しますが、野菜ジュースを作る過程で、この食物繊維は大幅に減少します。
特に不溶性食物繊維は、便通を改善する働きがありますが、ジュース製造時にほぼ除去されてしまうため、野菜ジュースのみを頼りにするのは不十分と言えます。
生野菜の代わりにならない
多くの野菜ジュースには「1日分の野菜が取れます」というフレーズが見受けられますが、実際は不十分である場合がほとんどです。
質的な面を考慮すれば、ジュースで摂取できる栄養分は生野菜と比較して劣ります。
生の野菜には、ジュース製造時に失われる多くの有益な成分が存在するため、バランスよく生野菜も摂取することが推奨されます。
飲み過ぎると太る
野菜ジュースの健康イメージに惹かれて、過度に摂取することは避けるべきと言えます。
なぜなら、多くのジュースには果糖や糖分が添加されており、摂取量が増えればカロリー摂取も増え、結果的に「太る」ことにつながるからです。
特に果糖は、過剰に摂取すると中性脂肪を増加させる原因となり、健康リスクが高まる可能性があるため、適量を守って飲むことが重要です。
野菜ジュースで補える栄養素
上記では、野菜ジュースが意味ないと言われる理由を紹介しましたが、全く意味がない訳ではありません。
以下では、野菜ジュースから補える栄養素を紹介します。
- リコピン
- ビタミンE
- 水溶性食物繊維
- ビタミンA・β-カロチン
- カリウム
- カルシウム・鉄
リコピン
特に赤い野菜や果物に多く含まれるリコピンは、強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化を遅らせる効果があります。
トマトベースの野菜ジュースにはこのリコピンが豊富で、定期的に摂取することで心血管系の健康維持にも寄与するとされています。
ビタミンE
ビタミンEは、脂溶性のビタミンとして知られ、加工による損失が少ないため、多くの野菜ジュースに含まれています。
抗酸化作用を持つこのビタミンは、血液の流れを改善し、特に女性の冷え性予防にも有効です。
水溶性食物繊維
野菜ジュースの中でも、野菜100%のジュースには、水溶性の食物繊維が多く含まれる傾向にあります。
水溶性食物繊維は、腸内環境を整える作用があり、便秘の予防や腸の動きを活発にする効果が期待できます。
ビタミンA・β-カロチン
緑黄色野菜を主成分とする野菜ジュースには、ビタミンAやβ-カロチンが豊富です。
これらの成分には、視力の維持や免疫力アップ、抗酸化作用があります。
カリウム
多くの野菜ジュースには、200~300㎎のカリウムが含まれています。
カリウムは、体内の余分な塩分を排出する作用を持ち、高血圧の予防に役立ちます。
カルシウム・鉄
カルシウムや鉄も、野菜ジュースから摂取できる成分として見逃せない成分です。
特に、ほうれん草やケール、小松菜などの緑の野菜を原材料とするジュースは鉄分が豊富で、貧血気味の人にはおすすめです。
野菜ジュースで補いにくい栄養素
以下では、野菜ジュースで補いにくい栄養素を紹介します。
普段から野菜ジュースを飲んでいる方は、補いにくい栄養素を食事で摂取できるよう確認しておきましょう。
- ビタミンB群
- ビタミンC
ビタミンB群
ビタミンB群はエネルギー生成や神経系の健康を支えるために重要ですが、野菜ジュースからの摂取は難しい栄養素の1つで、特に、野菜にはビタミンB群が一般的に少ない傾向にあります。
例外的に、葉酸は緑の葉野菜などに含まれることがあるものの完璧ではありません。
そのため、ビタミンB群の欠如を補うためには、畜肉や大豆製品、全粒穀物からの摂取が推奨されます。
ビタミンC
ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、風邪の予防や美容、健康の維持に役立つビタミンです。
しかし、このビタミンは熱や光に非常に弱く、野菜ジュースの製造や保存の過程で多くが失われてしまいます。
加えて、多くの野菜ジュースに豊富に含まれるビタミンCは、加工後に添加されることが多く自然由来とは異なります。
そのため、生の果物や野菜からの摂取を心がけると良いでしょう。
野菜ジュースは健康維持の手助けとして非常に有効ですが、上述のような補いにくい栄養素も存在します。
過剰摂取には注意が必要ですが、毎日の食事にうまく取り入れ、栄養バランスを整えることが重要です。
野菜ジュースを飲むことで摂取できる栄養と、他の食材から補う必要がある栄養を理解し、健康的な食生活を目指しましょう。
野菜ジュースを選ぶ方法
以下では、野菜ジュースを選ぶ方法を紹介します。
- 使用されている野菜の種類・多さで選ぶ
- 添加物が含まれていないものを選ぶ
- なるべく砂糖が含まれていないものを選ぶ
使用されている野菜の種類・多さで選ぶ
野菜ジュースの栄養価は、使用されている野菜の種類とその多さで大きく異なります。
多くの野菜がブレンドされているジュースは、多様な栄養を一度に摂取することが期待できます。
パッケージに記載されている野菜のリストを見て、バラエティ豊かなものを選びましょう。
ただし、質も大切であるため、具体的にどの野菜が含まれているかもしっかり確認することが大切です。
添加物が含まれていないものを選ぶ
健康を意識して野菜ジュースを選ぶのであれば、添加物や合成着色料などの人工的な成分が含まれていないものを選ぶようにしましょう。
添加物などの成分は長期的な健康への影響が懸念されることもあります。
なるべく、オーガニックや自然な成分だけを使用したジュースを選ぶことで、安心して日常的に飲むことができます。
なるべく砂糖が含まれていないものを選ぶ
多くの野菜ジュースには、風味向上や保存性を高める目的で砂糖が加えられています。
しかし、過度な砂糖摂取は健康リスクの要因となることもあり、特に果物が多く混ざっているジュースは、果糖の含有量も気をつけたいポイントです。
砂糖不使用や低糖質のものを選ぶことで、健康的に野菜ジュースを楽しむことができます。
野菜ジュースの選び方は、単に美味しいものを選ぶだけでなく、健康や栄養面でのバランスも考慮する必要があります。
上記のポイントを参考に、自分の健康とライフスタイルに合った最適なジュースを見つけてみましょう。
野菜ジュースを効果的に飲む方法
以下では、野菜ジュースを効果的に飲む方法を紹介します。
- 普段の食事のプラスαで飲む
- 1日の摂取目安を守る
- 小腹が空いた時に飲む
普段の食事のプラスαで飲む
1人暮らしの方や忙しい日々を過ごす人々は、しっかりと栄養素の取れた食生活を送ることが難しいことが多いでしょう。
特に野菜の摂取は疎かになりがちですよね。
このような状況で、日々の食事と併せて野菜ジュースを飲むことは、必要な栄養素を確保する良い手段と言えます。
例えば、炭水化物やタンパク質中心の食事と合わせてジュースを飲むことで、栄養の偏りを減少させることが期待できます。。
1日の摂取目安を守る
野菜ジュースにはさまざまな栄養素が詰まっていますが、過度な摂取は注意が必要です。
特に果物を含む野菜ジュースは糖分が多いこともあり、過剰な糖分摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、1日の摂取目安として1本程度を守るのが良いでしょう。
また、ジュースの選び方によっては他の健康リスクも考慮する必要があるので、適量を心がけることが大切です。
小腹が空いた時に飲む
日中、小腹が空いたときについお菓子に手を伸ばしてしまう方も多いのではないでしょうか。
その場合、お菓子の代わりに野菜ジュースを飲むことがおすすめです。
野菜ジュースは、体にとって必要なビタミンやミネラルを提供してくれるだけでなく、糖分のバランスも取れているので満足感を得やすく、またお菓子よりもカロリーが低く、体にやさしい選択と言えます。
野菜ジュースを飲む際の注意点や、最も効果を得られる飲み方を知って、健康的な生活をサポートしましょう。
野菜ジュースは日々の食事のプラスαとして活用しよう!
野菜ジュースは、全く意味がないという訳ではありませんが、飲み方を間違えてしまうと太ってしまうなど逆効果になる恐れもあります。
そのため、あくまでも野菜ジュースは普段の食事のプラスαとして活用することがおすすめです。
今回の記事を参考に、日々の食生活に効果的に野菜ジュースを取り入れて健康的な体を作りましょう。