水コラム

精製水って飲めるの?飲めないほうが良い理由と使用方法

私たちの周りには様々な水が存在しますが、その中でも「精製水」という水があります。

精製水は特定の状況下で必要とされる特殊な水です。

この記事では精製水とは何か、なぜそれを飲むべきでないのか、さらにはそれがどのように使用されるのかを解説します。

それぞれの種類と使用例も具体的に説明し、精製水とはどのようなものかご紹介します。

水は私たちの生命を維持するために必要な要素ですが、どんな水でも飲用可能とは限りません。正しい知識を身に付けましょう。

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精製水ってどんな水?


精製水とは、不純物を極限まで取り除いた水のことを言います。

一般的な飲料水とは大きく異なり、製造過程や特性にはいくつかの重要な特徴があります。
まず精製水はその名前が示す通り、特殊なフィルタリングプロセスを経て純度が高められています。

ミネラル・塩分・微生物・有害物質などが除去されています。この工程はRO(逆浸透)システムや蒸留、イオン交換といった高度な技術を利用して行われます。

そのため精製水は透明度が高く、味もほとんどないのが特徴です。

ただし、この極度の純粋さが精製水を飲む際のリスクとなっています。

精製水飲めないほうが良い3つの理由


精製水はその高純度から多くの産業にとって重要な役割を果たしていますが、日常的な飲料として使用することは推奨されていません。

その純度の高さゆえに飲むときに特定のリスクを伴う可能性があるからです。

具体的には不純物が繁殖しやすい、ミネラルが含まれていない、飲料水として作られていないという点にあります。これらはすべて精製水の特性と生産プロセスから来るものです。

1.不純物が繁殖しやすい

精製水は高純度であるがために不純物の繁殖がしやすい特徴を持っています。これは純粋な水が自然界の物質を吸収しやすい特性を持つためです。

容器や配管などから微小な物質が精製水に溶け込む可能性があり、それらの物質が微生物の繁殖を拡大させます。

特に、開封された精製水は空気中の微生物を吸収する傾向があり、これらの微生物が繁殖する可能性があります。微生物の中にはは病原性を持つものもあり、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、精製水が保存や輸送の過程でプラスチック容器に触れると、プラスチック由来の化合物が溶け出すことがあります。これらの化合物はホルモン機能を阻害する可能性を持っています。

長時間プラスチック容器に保管された場合、この化合物の濃度が増加する可能性があります。

そのため精製水は製造後すぐに使用され、正しく保存されなければなりません。

特に、飲用の可能性がある場合には、その取り扱いには十分な注意が必要です。不純物が繁殖しやすいという特性は、精製水が日常的な飲料としては適さない一因となっています。

2.ミネラルが含まれていない

精製水の一つの特性として、ミネラルが含まれていないという点が挙げられます。これは精製水が純度99.9%以上であることが証明しています。

ミネラルは私たちの体にとって重要な栄養素であり、健康維持に役立ちます。

カルシウム、マグネシウム、カリウムなどは骨や筋肉の健康、神経伝達、酵素の働きなどに影響します。

私たちは飲料水からこれらのミネラルを一部摂取しています。特に硬水はカルシウムやマグネシウムを豊富に含んでおり、ミネラルの重要な供給源となっています。精製水にはこれらのミネラルが含まれていません。

また、飲む水に含まれるミネラルは、水の味わいに大きな影響を与えます。

ミネラルは水に「口当たりの良さ」や「まろやかさ」を与え、水の味わいを左右します。そのため、味覚の観点からも、精製水は飲料水としては適していません。

3. 飲料水として作られていない

精製水はその名の通り、純度を重視した製造過程を経ています。そのため、飲料を前提として製造されていないという事実を忘れてはなりません。

精製水の主な使用目的は、科学研究・産業用途・医療用途など、その高純度が要求されるシーンです。

化学実験では、試薬の純度を確保するために精製水が使用されます。また医療分野では、器具の洗浄や薬品の製造に精製水が使用されます。

しかし飲料水の製造に関しては、味や栄養価、安全性などが重視されます。飲料水は、ミネラルを含むべきであり、また、微生物汚染を防ぐために適切な保存や処理が必要です。

精製水は製造過程や保存方法、目的から考えても飲料水としては適していないと言えます。

精製水の種類


世界には様々な精製水の製造方法があります。それぞれの製法は、水の純度を高めるために様々な製造過程を採用しています。

主に3つのタイプの精製水製造方法、蒸留水・イオン交換水・逆浸透(RO)水について説明します。これらの精製水はそれぞれ特異な性質を持ち、それぞれの特定の用途に適しています。

蒸留水

蒸留水は、蒸留という過程を経て製造されます。

この方法ではまず水を注いで蒸気にし、次にこの蒸気を冷却して液体に戻します。そのために蒸留された水は高い純度を持つことになります。

蒸留水は主に科学実験や工業用途で用いられます。例えば、化学実験では高純度の水が必要となるため、蒸留水が用いられます。また、機械の冷却剤としても利用されることがあります。

しかし、蒸留水は飲料水としては推奨されません。

理由は2つあります。一つは、蒸留水にはミネラルが全く含まれていないためです。

二つ目の理由は、蒸留水は不純物を含まないため「味がない」と感じられる可能性があるからです。

これは好みにもよりますが、多くの人々は自然な水と比べて蒸留水に味気なさを感じるでしょう。

このような理由から蒸留水は通常、飲料水としては推奨されません。

イオン交換水

イオン交換水は、イオン交換という過程を用いて製造されます。この製造方法では、特殊な樹脂を用いて水中のイオンを取り除きます。

この方法は水中のカルシウムやマグネシウムなどのイオンが樹脂の最大イオンと交換されます。これにより、水中の硬度を減らします。

イオン交換水は特にボイラーや冷却装置で使用されます。

これらの装置では、水中のカルシウムやマグネシウムが堆積し、結石を形成することがあります。結石は装置の効率を低下させ、最終的には故障を考慮する可能性があります。安全の配慮し、イオン交換水は結石を防ぐために使用されます。

やはり、イオン交換水も飲料水としては推奨されません。

特に高血圧患者には飲料によるリスクが高くなっております。

RO水

RO水、または逆浸透水は、逆浸透というプロセスを用いて製造されます。

逆浸透は、水分子を逆浸透膜全体に出すことで、不純物をこのプロセスは非常に効果的であり、細菌やウィルス、有害な化学物質まで除去することが可能です。

RO水は多くの用途で利用されています。例えば、家庭用の浄水器では、飲料水のために逆浸透プロセスが用いられています。また、海水を淡水に変えるための海水淡水化プラントでもこの技術が利用されています。

RO水は逆浸透膜のメンテナンスが必要という問題もあります。この膜は定期的に交換する必要がありますが、かなりのコストがかかります。

精製水が使用されるシーン

精製水は高い純度から様々なシーンで使用されています。それぞれのシーンでは、精製水の特性が最大限に活用されています。

ここでは、主に美容・医療、工場、自動車の三つのシーンにおける精製水の使い方を詳しく説明します。

精製水に適した使用用途を知ると同時に、飲料水としては限界があるという事実も再確認できます。

美容・医療


精製水は美容と医療の両方で重要な役割を果たしています。

美容業界では精製水はスキンケアとヘアケアの製品作りに利用されます。

高品質な化粧水やシャンプーは製品の基盤となる水として精製水を使用しています。

また、スパや美容院でも皮膚や髪にダメージを与える可能性のある有害物質を含まない精製水が使用されます。

医療業界では精製水は患者の安全性と治療結果に直結します。

手術室や検査室で使用される器具は精製水で洗浄され、滅菌されます。

さらに医薬品製造においても、精製水は最終製品の高い安全性を保証するために使用されます。注射薬や点眼薬、錠剤の製造過程において、純粋な水は不純物が混入するリスクを排除し、医薬品の効果を最大限に引き出します。

工場


工場でも精製水は非常に価値のある資材とされています。

特に、半導体製造や食品加工、製薬など、純度が要求される業界では精製水は絶対に欠かせない存在となっています。

半導体製造業界では、ウエハー(半導体の基板)の製造や洗浄に精製水が使用されます。 ウエハー製造の過程では、微細な回路が形成されるため、この業界では特に純度の高い超純水が使用されます。

食品加工業界では、製品の品質と安全性をキープするために、精製水が使用されます。例えば、缶詰や瓶詰め製品の洗浄、食品の加熱処理などには精製水が使用されます。製造過程においても、精製水は使用されます。

製薬業界では、精製水は医薬品製造の基本的な材料となっています。医薬品の製造過程においては、純粋な水が使用され、製品の純度の安全性を確保します。安定した治療結果をもたらすための重要な素材です。

自動車


自動車の世界でも精製水は重要な役割を果たしています。

その一つが、クーリングシステムの冷却液として利用です。エンジンは運転中に大量の熱を持っています。その冷却液として精製水が使われるのです。

精製水には不純物が含まれずおらず、その結果、クーリングシステムの腐食を防ぐことができるからです。また、バッテリー液の補充にも精製水が使われます。

さらに、ウィンドウ洗浄液の作成にも精製水が活用されます。ウィンドウ洗浄液は、汚れや虫などを効果的に取り除くために役立ちます。ただし、不純物が含まれる水を使うと、ウィンドウに白い痕跡や汚れが残る可能性があるため、ここでも精製水が利用されます。

家庭でおいしい水を飲むならウォーターサーバーがおすすめ

精製水が飲用に適していない理由を理解した上で、家庭で安全でおいしい水を手軽に入れる方法について考えてみましょう。

その一つがウォーターサーバーの利用です。

ウォーターサーバーの水は、天然水源から採水され、厳しい品質管理の下でボトルに詰められます。そのため、ミネラルを豊富に含みながらも、不純物は極力排除されています。

この点においてウォーターサーバーの水は、美味しく、安全で、栄養価も高いため、飲料として最適です。

また、ウォーターサーバーは性能も高く、冷水・温水の両方を利用できます。そのため、料理や飲み物の準備において、手間を省くことができます。

美味しくきれいな飲用水を手軽に得るのなら、ウォーターサーバーの利用がおすすめです。

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